「むちうち症」は,主に自動車の追突事故により,頚部に急激に力が加わることによる鞭打ち 運動を原因に発症することが多い症状です。病院では,頚椎捻挫(けいついねんざ),頚部捻挫(けいぶねんざ),頚部挫傷(けいぶざしょう),外傷性頚部症 候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)等の診断名がつきます。 |
また,頚部だけでなく,腰部に発症することもあり,腰椎捻挫(ようついねんざ),腰部捻挫(ようぶねんざ),腰部挫傷(ようぶざしょう),外傷性腰部症候群(がいしょうせいようぶしょうこうぐん)等の診断名がつきます。
むちうち症では,①受傷直後から急性期,②亜急性期,③慢性期に特徴的な症状がみられると言われています。
むちうち症は,骨折を伴う骨傷ではなく,頚部の軟部組織(筋肉,靭帯等)の捻挫ということができます。通常は,3か月程度の安静と加療で治癒又は軽快しますが,交通事故の被害者の方の場合は治療が長期化し,後遺障害が残ることがあります。
むちうち症は,骨折を伴う骨傷ではなく,外傷がないため簡単に後遺障害と認められるわけではありません。しかし,むちうち症は後遺障害に該当するという裁判例がありますので,適切な検査を行い後遺障害の認定を受けることが大切です。
等級 | 労働能力喪失率 | 労働能力喪失期間 | 認定基準 |
12級13号 | 14% | 5~10年 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 5% | 5年以下 | 局部に神経症状を残すもの |
むちうちの診察においては注意すべきポイントは,レントゲンではなく,神経根の圧迫の有無を把握するMRIでの診察がむちうち症の後遺症認定には必要になるなど,むちうち症に対する知識を十分に持っていなければ適切な検査が行われません。
むちうち症の検査・治療を行う際には,むちうち症に精通した医師の下で検査・治療を行うことをお勧めいたします。
●むちうち(鞭打ち)について | ●12級と14級の違い | ●むちうち治療のポイント |